退職金3.:受取る側 (2009/5/29)
1.死亡したことにより受取る場合
(1)相続税のみなし取得財産
被相続人の死亡によって、被相続人に支給されるべきであった退職金を遺族が受け取る場合で、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものは、相続財産とみなされて相続税の対象となります。
(2)退職金の非課税金額
500万円×法定相続人の数=非課税限度額
(法定相続人とは、相続の放棄があった場合にその放棄がなかったものとしたときの相続人の数となります。)
具体例
退職金2,000万円、法定相続人3名
非課税金額:500万円×3名=1,500万円
相続財産とみなされる退職金:2,000万円-1,500万円=500万円
この500万円に対し相続税が課税されます。
(3)弔慰金
被相続人の死亡によって受ける弔慰金や花輪代、葬祭料などについては、通常相続税の対象になりません。
以下の金額を超える部分の弔慰金は相続税の退職金とみなされ、相続税が課税されます。
- 被相続人の死亡が業務上の死亡であるとき
死亡当時の普通給与×3年分 - 被相続人の死亡が業務上の死亡でないとき
死亡当時の普通給与×半年分
ポイント
弔慰金は、支給した側は全額損金または必要経費となり、受取った側は普通給与の3年分または半年分であれば相続税が課税されません。
2.小規模企業共済
個人事業主は退職金を受取ることができません。しかし、個人事業主は生活の保障があるわけではないので、自分で老後の資金を準備することとなります。
そこで、国が運営する経営者の退職金制度である小規模企業共済に加入することにより、退職金を準備することができ、事業を廃止したときや死亡したときなどに受取ることができます。
毎月1,000円から70,000円の掛金で全額所得控除することができ、所得税の節税となり、受取るときは上記の退職所得や相続税のみなし取得財産となります。
また、法人の役員も加入することができます。