2015年09月10日 所長・スタッフブログ

平成27年1月1日以降の贈与税(相続時精算課税)の改正

今回は改正がありました相続時精算課税をご紹介いたします。

相続時精算課税の制度とは、原則として贈与をした年の1月1日において60歳以上の父母又は祖父母から、贈与を受けた年の1月1日において20歳以上の推定相続人である子又は孫に対し、財産(贈与財産の種類、金額、贈与回数に制限はありません)を贈与した場合において選択できる贈与税の制度です。

 平成27年1月1日以降の贈与から、次のように改正されました。

 贈与者:65歳以上の父母 → 60歳以上の父母または祖父母

 受贈者:20歳以上の推定相続人 → 20歳以上の推定相続人または孫

平成26年12月31日までの贈与は、原則親子間のみでしたが、
贈与者の年齢を引き下げ、孫にも贈与できるように改正されました。

父からの贈与は相続時精算課税を選択し、母からの贈与は暦年課税とするというように贈与者ごとに相続時精算課税の選択をすることができます。

〈税金の計算〉

(1) 贈与税額の計算
  その贈与税の額は、贈与財産の価額の合計額から、複数年にわたり利用できる特別控除額(限度額:2,500万円。ただし、前年以前において、既にこの特別控除額を控除している場合は、残額が限度額となります。)を控除した後の金額に、一律20%の税率を乗じて算出します。

 (2) 相続税額の計算
  相続時精算課税に係る贈与者が亡くなった時に、それまでに贈与を受けた相続時精算課税の適用を受ける贈与財産の価額と相続や遺贈により取得した財産の価額とを合計した金額を基に計算した相続税額から、既に納めた相続時精算課税に係る贈与税相当額を控除して算出します。

 その際、相続税額から控除しきれない相続時精算課税に係る贈与税相当額については、相続税の申告をすることにより還付を受けることができます。
 なお、相続財産と合算する贈与財産の価額は、贈与時の価額とされています。

つまり、贈与時に払った贈与税は相続税から控除でき、控除しきれないときは還付されますので、一つの財産に対して2重に課税されるわけではありません。

このように、相続時精算課税の制度は、贈与したときは一律20%の贈与税が課税され、贈与者が亡くなったときに他の相続財産と合算して相続税で精算する制度です。

この制度を選択する場合には、贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日の間に一定の書類を添付した贈与税の申告書を提出する必要があります。

〈メリット〉
 
 ①2,500万円の特別控除があるので、贈与者が亡くなったときに相続税がかからないと想定できる場合は、まとまった財産を早めに贈与することができます。(この場合でも贈与税の申告は必要です)
 
 ②相続税の計算上、相続財産と合算する贈与財産の価額は「贈与時の価額」ですので、将来値上がりする財産を贈与しておけば相続税対策になります。

 ③収益物件を贈与すれば、収益物件から生じる所得を分散することができます。

 ④改正により孫にも贈与できるようになったこと。


〈デメリット〉

 ①この相続時精算課税を選択すると、暦年課税へ変更することはできません。
  年110万円の基礎控除を使った生前贈与ができなくなります。

 ②贈与しても将来相続財産に合算されますので、相続財産が減るわけではない。

 ③相続・遺贈により取得した財産に小規模宅地等の特例が適用されるため、贈与した財産には小規模宅地等の特例が使えない。

 改正により利用しやすくはなりましたが、一度選択すると暦年課税に戻れないため、慎重な判断が必要になることには変わりはないように思います。

 星野

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