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社宅に関する税金と社会保険料について

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投稿日:2018年7月5日(木)

 前回は、通勤手当について税金と社会保険の考え方を記載しましたが、今回は予告通り、社宅について、税金と社会保険のそれぞれの計算方法を見ていきましょう。

 

社宅とは、会社が従業員に対して相場より安い賃料で貸し付ける住宅をいいます。会社側の立場から見た場合、従業員の勤労意欲の向上のために、従業員への金銭以外の報酬として社宅を用意することが多いと思われます。例えば転勤の多い企業について、従業員の転居に係る負担を軽減するためや、会社の近くに社宅を用意することで、通勤時間が減り、従業員の仕事以外の時間の充実を図るためといった目的が挙げられます。

 

1.所得税上の取り扱い

(1)従業員に対して社宅や寮などを貸与する場合には、従業員から1か月当たり一定額の家賃(以下「賃貸料相当額※」といいます。)の50%以上を受け取っていれば給与として課税されません。

※賃貸料相当額とは、次の①~③の合計額をいいます。

 ① (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%

 ② 12円×(その建物の総床面積(平方メートル)/3.3(平方メートル))

 ③ (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%

 従業員に無償で貸与する場合や、賃貸料相当額の50%より低い家賃を受け取っている場合には、受け取っている家賃と賃貸料相当額との差額が、給与として課税されます。

 

(2)役員に対して社宅を貸与する場合も、役員から賃貸料相当額を受け取っていれば、給与として課税されません。役員から受け取っている金額が、賃貸料相当額に満たない場合には、その満たない部分の金額が給与として課税されます。従業員に対する貸与の場合のような50%の基準はなく、少しでも不足があればその部分が給与として課税されます。

 役員に対する貸与の場合、賃貸料相当額は、貸与する社宅の床面積により小規模な住宅と小規模な住宅以外の住宅に分け、次のように計算します。ただしこの社宅が、いわゆる豪華社宅である場合は、通常支払うべき使用料に相当する額が賃貸料相当額になります。

 

 ①役員に貸与する社宅が小規模な住宅である場合

  (1)①から③の合計額が賃貸料相当額になります。

 ②役員に貸与する社宅が小規模な住宅でない場合

  イ 自社所有の社宅の場合

   次の(イ)と(ロ)の合計額の12分の1が賃貸料相当額になります。

   (イ) (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×12%

   ただし、法定耐用年数が30年を超える建物の場合には12%ではなく、10%を乗じます。

   (ロ) (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×6%

  ロ 他から借り受けた住宅等を貸与する場合

   会社が家主に支払う家賃の50%の金額と、上記イで算出した賃貸料相当額とのいずれか多い金額

   が賃貸料相当額になります。

 

 他者から借り受けた社宅を従業員に貸与する場合も、固定資産税の課税標準額などを確認することが必要です。京都市であれば、賃貸借契約書などにより借家人であることが証明できれば、固定資産税の課税標準額が記載された公課証明書を取得することが可能です。

 

2.社会保険上の取り扱い

 社会保険料の算出において、社宅を従業員等に貸与した場合は、現物給与として取り扱われます。

 例えば、京都の会社に勤務されている方が社宅の貸与を受けている場合、畳1畳あたり1,670円の現物給与を受けているとして計算されます。なお、この面積の計算は、居間、寝室など居住用の部分のみで計算し、玄関、台所、トイレ、浴室などの面積は含みません。

 従業員等から受け取っている家賃が、この現物給与の金額に満たない場合、その満たない部分の金額が、社会保険料の算定の基礎となる報酬に含まれることになります。

 従業員に対する社宅の貸与や、役員に対する小規模住宅の貸与の場合、所得税上で計算される賃貸料相当額よりも、社会保険上の現物給与の額の方が高額になることが多いです。社宅を貸与している場合は、算定基礎届や月額変更届の作成の際に、現物給与の計算を忘れないよう注意しましょう。

 和知 秀永

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