2017年05月16日 所長・スタッフブログ

 消費税は、売上に係る消費税から仕入に係る消費税を控除した差額が納付税額となりますが、逆に仕入に係る消費税が売上に係る消費税より多ければ、その差額の還付を受けることができます。
 このようなしくみに加えて、事業者免税点制度や簡易課税制度を利用した故意による課税逃れがこれまでも問題となっており、様々な特例が創設されてきました。その代表的なものが「調整対象固定資産を取得した場合の特例」と「高額特定資産を取得した場合の特例」です。
 今回は、この二つの特例の違いを取り上げたいと思います。
 

【1】調整対象固定資産を取得した場合の特例
 
 ①内容
  課税事業者の選択届出をした事業者が、課税事業者の強制期間中に調整対象固定資産を取得した場合には、その取得した課税期間を含む3課税期間、課税者免税点制度及び簡易課税制度の適用を受けることができません。
 
 ②調整対象固定資産
  棚卸資産以外の資産で、税抜価額100万円以上の固定資産等(課税資産)

 ③連続取得と3年縛り
  例えば
   平成28年度 … 「課税事業者選択届出書」を提出(強制期間は平成29年度~平成30年度)
   平成29年度 … 調整対象固定資産を取得 → 強制期間が平成31年度まで延長される
   平成30年度 … 調整対象固定資産を取得 → 強制期間が平成32年度まで延長される
   平成31年度 … 調整対象固定資産を取得 → 強制期間は延長されない(平成32年度まで)
  
  本特例の3年縛りは、課税事業者選択による本来の強制期間(平成29年度と平成30年度)中に、調整対象固定資産を取得した場合に適用されるものです。、
       そのため、延長された強制期間(平成31年度と平成32年度)に調整対象固定資産を取得しても、強制期間が再度延長されることはありません。        
 

【2】高額特定資産を取得した場合の特例

 ①内容
  課税事業者が一般課税による課税期間中に高額特定資産を取得した場合には、その取得した課税期間を含む3課税期間、課税者免税点制度及び簡易課税制度の適用を受けることができません。

 ②高額特定資産
  税抜価額が1,000万円以上の棚卸資産又は調整対象固定資産

 ③連続取得と3年縛り
  例えば
   平成28年度 … 「課税事業者選択届出書」を提出(強制期間は平成29年度~平成30年度)
   平成29年度 … 高額特定資産を取得 → 強制期間が平成31年度まで延長される
   平成30年度 … 高額特定資産を取得 → 強制期間が平成32年度まで延長される
   平成31年度 … 高額特定資産を取得 → 強制期間が平成33年度まで延長される
  
  本特例の3年縛りは、課税事業者選択による本来の強制期間(平成29年度と平成30年度)であるか否かにかかわらず、課税事業者(一般課税)が高額特定資産を取得した場合に適用されます。
        そのため、高額特定資産を取得するたびに、強制期間が延長されることになります。

 
 消費税は平成元年4月1日から実施されて29年目に入りました。
 税率も当初3%から始まり、5%、8%、平成31年10月1日には10%となり、さらに負担も増えます。
 100万円以上の設備投資等をお考えの際は、あらかじめ税理士事務所にご相談ください。

 岡村 江利子

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