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課税売上割合に準ずる割合について

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投稿日:2017年5月25日(木)

消費税の納税額を計算する上で、課税売上高が5億円超の場合または課税売上割合が95%未満の場合、仕入控除税額の計算において、課税仕入れ等に係る消費税額の全額を控除することはできません。

個別対応方式の場合は、その課税期間中の課税仕入れ等に係る消費税額のすべてを、

   イ 課税売上げにのみ要する課税仕入れ等に係るもの

   ロ 非課税売上げにのみ要する課税仕入れ等に係るもの

   ハ 課税売上げと非課税売上げに共通して要する課税仕入れ等に係るもの

に区分し、 イ + (ハ × 課税売上割合)が仕入控除税額となります。

一括比例配分方式の場合は、 課税仕入れ等に係る消費税額 × 課税売上割合が仕入控除税額となります。

この課税売上割合とは、その課税期間中の総売上高に対する課税売上高の割合をいいます。

つまり非課税売上の割合が上がれば上がるほど、課税売上割合は下がり、仕入控除税額の計算上、控除できない仮払消費税が増えることになります。

非課税売上は物的な消費をしないものや社会政策的配慮から定められています。サービスを受ける側からすると消費税の負担なしで受けられるためありがたいものですが、サービスを提供する側からすると、上記の通り、控除できない仮払消費税が生じます。不動産業や病院などの非課税売上が多くなる業種は、最終消費者でないにもかかわらず、かなりの消費税負担を強いられています。この問題は消費税法そのものの問題であり、今後の改正が望まれるところです。

 

上記の問題は、特定の業種に限ったものではありません。普段は課税売上割合が100%の会社であっても、例えば本社移転のため、旧本社の土地を売却した場合には課税売上割合が大幅に下がることがあります。この場合、本業部分が前期と全く同じ売上、経費であったとしても、土地売却という非課税売上が計上されることにより、課税仕入れ等に係る消費税額の全額が控除できなくなるため、消費税の納税額が増えることになります。

ただしこの場合は、課税売上割合に準ずる割合の承認を受けることにより、納税額を抑えることができます。

(参考URL:https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shohi/17/07.htm

課税売上割合に準ずる割合とは、使用人の数や使用面積の割合等を基に合理的な基準により算出した割合で、本来の課税売上割合により計算した仕入控除税額がその事業者の事業の実態を適正に反映しないものになる等、課税売上割合に準ずる割合により仕入控除税額を計算する方がより合理的と認められる場合に適用されるものです。

なお、この課税売上割合に準ずる割合を適用するためには、適用したい課税期間中に申請書の提出及び承認を受けなければなりません。審査には1~2カ月かかることもあるようですので、決算期末ぎりぎりに土地の譲渡がされたような場合には適用が難しいかもしれません。また、申請書の提出=承認とはならず、却下される場合もあります。したがって税務署に事前相談をされた上で申請書を提出するとスムーズに手続きが進むと思われます。

 

消費税は全く同じ事業規模・事業内容でも、事前の手続きの有無で納税額が大きく変わることがあります。本社移転やその他大きな設備投資などをお考えの場合は、事前に税理士へご相談されることをおすすめいたします。

 

和知 秀永

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